桜美林大学大学院 老年学研究科 同窓会

書評

書 評

 著者の島影真奈美さんは現在、仕事と大学院での研究生活、義父母の介護という3足の草鞋を履きこなしている才女である。
 本書は80歳代後半に、同時的に認知症を患った義父母の在宅介護を、同居もせず、公的な社会資源を巧みに活用しながら成功させた貴重な経験を綴っている。適宜にかなったノウハウに満ちた良書といえる。
 しかし、説教的な臭みはみじんもなく、ユーモア溢れるエッセイの読後感を与えるのは、著者の文筆家としての日々の研鑽の賜物であろう。
 このような成果をもたらしたのは著者の心底にある、罹っても失われることのない人生の先輩の尊厳に対する敬いである。また残されている能力や適応力(resilience)へのエンパワーメントへの意欲である。実母ではない老親のケアのキーパーソンと自分を位置づけている著者の優しさも印象的である。
(柴田博)

書誌情報
著書名/子育てとばして介護かよ
著 者/島影 真奈美
出版社/KADOKAWA
価 格/1,100円+税

 本著は、老年医学、疫学、古病理学の分野において世界の第一線で活躍されている研究者である鈴木隆雄先生が、東京都健康長寿医療センター研究所、国立長寿医療研究センター研究所、桜美林大学大学院老年学研究科を通じて30年以上にわたり蓄積した膨大な老年学の研究成果をもとに、人生百年時代の生老病死のありさまを解き明かしたものである。
 著者の背景から、老年学の分野の中でもとくに医学・生物学的な側面を中心に、不都合な真実から目を背けがちになっている国民に、超高齢社会の現実を直視させ、解決すべき課題をわかりやすく解説している。
 読者が人生と老いに向かい合い、課題の解決に向けた何らかの行動を起こすきっかけになるものと確信する。

書誌情報
著書名/超高齢社会のリアル
著 者/鈴木 隆雄
出版社/大修館書店
価 格/1,900円+税

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